NPO法人ちはやぶる 宇治の未来をつくる会

代表者 森田 誠二
所在地 京都府宇治市蓮華5-2スペリオン宇治302号
連絡先 090-3994-7595
Email chihayaburuuji@gmail.com
HPアドレス  
活動内容 普及啓発活動
業  態 非営利法人
宇治の歴史や文化を活用したまちづくり活動。 地域の魅力を再発見し、地域に対する誇りと愛情を醸成し、そのプロセスを共有することで地域の社会課題と向き合えるソーシャルキャピタルの蓄積を目指す。

イベント

ちはやぶるサロン2020/06/10
ちはやぶるサロン2020/06/10

Interview

 

【団体紹介】
 10月6日の日曜日、爽やかな秋晴れの下、大勢の市民らが宇治市の県(あがた)神社に集い、なごやかな一日を過ごしました。NPO法人「ちはやぶる宇治の未来をつくる会」主催のやまぶき市。境内には雑貨、本、飲食物などを販売する店が並び、野外コンサートや市民劇も行われ、県の杜は親子連れらの楽しそうな声に包まれました。
 このイベントは、和歌にも詠まれる県の杜でコミュニティーの繋がりを築いてもらおうと、2017年4月に始まり4回目。収益金は同神社の境内に宇治市の花「やまぶき」を植栽する費用などにあてられてきました。「お客さんも出店者もスタッフも、みんなで楽しもうというイベントです。集う人たちの笑顔が一番」と、森田誠二代表は穏やかに笑います。
 同NPOは、宇治市の歴史・文化・芸術・観光など様々なジャンルでの活動を通してシビックプライドを醸成し、地域コミュニティーにおけるソーシャルキャピタル(社会資本)の蓄積を目的に2017年に設立されました。難しそうですが、「どんな手段でもいいから、宇治にある歴史や文化を活用して宇治に対するほこりや愛情を持とうということです」と森田代表。「私自身も宇治の精神性に救われた部分があって、それを多くの人に伝えていきたい」。
 このため、すでに約40回のイベントを開催し、テレビ、新聞などで数多く紹介されました。平安や飛鳥時代の衣装を身に着けての短歌会▽宇治にちなんだ勉強会▽市内の名刹を会場にしたコンサート▽ITを活用したまち歩き事業「ウィキペディアタウン」など、内容は様々。やまぶき市もその一環です。
 また、大吉山から見た1600年前の巨椋池の景観をARで再現するなど、画期的な試みにも挑んでいます。
 でも、なぜ健康づくり・食育アライアンスに?
 「WHOは、健康を『肉体的にも、精神的にも、社会的にも満たされた状態』と定義しています。人が人とつながってくこと、人の役に立つことはまさしく健康づくりの大切な要件の1つではないでしょうか。私たちは人とのつながりの中で宇治において新しい価値を生み出したいと考えています。アライアンスの中で、また新しいつながりを見つけられるのではないか楽しみにしています」とその意義を強調しました。

 

 

【活動紹介】

 秋も深まった11月30日、動物由来の食品を一切使用しないヴィーガン料理のお店だけを集めた紅葉ヴィーガンマルシェが、宇治市の興聖寺で開かれました。曹洞宗最古の寺院でありながら、これまで地元の人にもあまり知られてなかった古刹を一人でも多くの人に知ってもらおうと、NPO法人「ちはやぶる宇治の未来を作る会」が初めて開催。紅葉の見ごろとも重なり、会場となった同寺門前の駐車場は大勢の人出でにぎわいました。
 宇治の隠れた観光資源を掘り起こそうと活動している同NPOが、長く門戸を閉ざしていた興聖寺をアピールしようと企画。ソーシャルイノベーションアドバイザーでマルシェの企画などで有名な廣海緑朗さんに相談したところ、「寺院の素晴らしい雰囲気に心を動かされた。道元が最初に修行されたお寺と聞き、命を大切にするという観点からもここで焼き肉や焼き鳥を販売するのは合わない」(廣海さん)と、ヴィーガンマルシェの企画がスタート。廣海さんの知り合いらに声をかけて、宇治や京都市内を中心に奈良県のお店など19店が軒を並べました。
 ヴィーガンのパンや弁当のほか、ヴィーガンラーメンなどの珍しい料理も販売。藍染や小物の店も並び、親子連れらが大勢訪れました。
 同NPO代表の森田誠二さんは「興聖寺のファンを増やしたいというのが大きな目的。新しい宇治の魅力を知ってもらうきっかけになれば」と話しました。また、今回のマルシェには昨年の台風19号で被害に遭った同寺を支援したいという思いもあるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【対談】

 演劇などを通じて子どもたちに宇治茶や京野菜のすばらしさを伝えている「アートNPOこみねっと」の大橋敏裕理事と、様々な方法で宇治固有の価値をアピールしている「ちはやぶる宇治の未来をつくる会」の森田誠二代表。アライアンスメンバーの中でも情報発信という特徴的な役割を担う2人に語り合ってもらいました。

 ――大橋さんは小学校の先生をやってらしたそうですが、子どもを対象にした情報伝達にはその経験が生きているのですか?

大橋 先生にもいろいろなタイプがいて、幸い私はどちらかというと子どもと話ができるほうだったので、今の活動にはそれが生かせていると思います。子どもの場合は特にそうですが、大人が相手でも、やはりコミュニケーションを取るときには相手がどれぐらいの理解力であるか、こっちが心得ていないと、やりとりのいいキャッチボールできないですよね。それを子供の前でやるわけで、そのへんのところは勘と経験というところで、子どもへの情報伝達ということではうまくできているとは思います。

――では情報発信をうまくいっている?

大橋 いや、私たちがやっている活動を多くの人に知っていただいくという面ではいつも悩みがあります。多くの人にきちんと届いているのかと。いいコンテンツを作るよう努力をしているのですが、それを広める手法がなかなかわからない。
お茶の業界の人は、比較的良く知ってくれています。やはり、宇治茶のことを子どもたちに教えているからですかね。地道に一人ずつ伝えるのがいいのかな。

森田 本当に伝えるというのは難しいですよね。そのときに一番大事なのは、伝えたいことがあるということだと思うんです。先生の活動をみていると、子供たちに伝えたいという思いがあるんですよね。

大橋 やはりきっちりと伝えるには、子どもたちの感動がなければならない。

森田 そう共感ですよね。

大橋 子供たちがすごく楽しめるような、知ってうれしいというようなものがないとだめだと思います。

――「ちはやぶる」さんは対象を限定せず、いろいろな手法で宇治の価値をアピールされていますね

森田 一昨年はいろいろなイベントをやりましたね。実は、同志社大の大学院で街づくりの研究をやっていまして、その社会実験の一環だったんです。

大橋 映画製作もやってはるんですよね。

森田 そうなんですよ。一昨年の12月に記者会見しまして…。これまでは宇治の持ってる価値を多くの人に伝えようと、イベントとかいろいろとやっていたんですよ。ただ、イベントでは伝える力が限定的なので、年代も国境も乗り越えるには、映画というのはとてもいいコンテンツなのかなあと思って。
ただ、事情があって今は少し止まっています。

大橋 そうですよね。映画を作るとなるといろいろたいへんですよね。

森田 私が映画で伝えたいと考えているのは、宇治というのは世界に通用する価値があって、それを何とか伝えたい。宇治川自体がそうですよね。琵琶湖から流れ出る唯一の川です。日本海を渡ってくる人が、ルサンチマンをもって琵琶湖を通ってここに来たのではないかと。ここに来たら昔は巨椋池があって、きれいな月や川やたおやかな山があって、季節が来ればたくさんの蓮の花が咲く、ここがパラダイスにみえたのではないでしょうか。
もう1つ、ちはやぶるという和歌の枕詞が神と宇治だけにつくという事実があって、おそらくそういう人たちにとってここは神のいる場所に見えたのではないかと妄想するわけです。

大橋 莵道稚郎子(うじのわけのいらつこ)の話ですね。

森田 自己犠牲というか利他の精神、これが世界中にとって必要ではないか。それを発信していけば世界中から人が来て、少しでも明るい未来につながるのではないか。ただこれまでのやり方では限界がある。だから映画作りをしようと思ったんです。

大橋 一般の人にはその映画作りの情報はどれほど伝わっているんでしょう。

森田 SNSでの発信と新聞も活用しました。記者会見をして、それが地元紙のほか京都、読売、朝日にも載せてもらって。それを見たという人がけっこう多かったですね。

大橋 我々も「山城のたから授業」というのををやっていて、最初は記者会見もしたんですが、上演するたびにやるわけにもいかない。
まあ、保護者の方が参観で来られて、そういう意味では一般の人も知ってもらえているとは思いますが…。そういう意味で少しずつ口コミ伝わっているとは思うんですよ。

――「こみねっと」さんは宇治茶の素晴らしさをアピールされているそうですね

大橋 私たちが子供たちや先生にも伝えているのは、宇治茶の作り方なんですよ。手もみというのが独特で、世界にないんです。日本のお茶は色が透明できれいでそのまま飲めるし栄養価も高い。世界の中で希少価値があるが、その価値を知らない人が多い。

森田 お茶づくりみられるようなそういう丁寧さは必要ですよね。丁寧に作っていくということで、そういうところも伝えていかなければならない。

大橋 問題なのは、外部の人だけでなく、宇治に住んでいる人たちがその良さを知らないことです。宇治茶のことも、「ちはやぶる」さんがやっている宇治の歴史も同じです。そうした宇治固有の価値をどうやって地域に落としていくかが大きな課題です。

森田 私は、楽しさの上に乗っけていくことが1つの方法だと思います。それが演劇の手法の中にあるんですよ。

大橋 そうですね。楽しくしたり、感動させたりするのは、演劇の得意な分野です。

森田 私は同志社大で教えている学生たちに、宇治の価値をテーマにして動画を撮らせています。作ろうとすると勉強するでしょう。映像作品を作ることは楽しいし。アライアンスで健康づくりや食育について多くの人に伝える時にも、そういう手法を使えるのでないかと思っています。

大橋 それは面白いですね。私たちも工夫して、さらに多くの子どもたちにアピールするコンテンツを作っていきたいですね。

 

【対談】

 「洛タイ新報」の長田啓助代表取締役と「ちはやぶる宇治の未来をつくる会」の森田誠二代表。アライアンスメンバーの中でも情報発信という特徴的な役割を担う2団体の代表に、地域における情報の伝え方をテーマに語り合ってもらいました。

 ――お二人とも宇治の出身ではないとお聞きしましたが、宇治にはどのような印象をお持ちですか? 

 森田 宇治は2000年からなんですよ。だから宇治はふるさとじゃないんです。娘は宇治で生まれたんで、宇治がふるさとになります。それで宇治の街をよくしたいと、会社を定年になってから街づくりの活動を始めたんです。
それで気づいたんですが、宇治の人って宇治のこと好きですよね、ものすごく。

 長田 私も宇治に来てもうすぐ40年になるんですが、それまでは京都市内にいました。

 森田 どうですか、宇治に来られて。私はそういう印象を持ってますが…

 長田 そうですね。一般的にはみなさん中宇治のことを宇治と言いはるんで。地域によって雰囲気は違うかもしれませんが、東宇治の人は東宇治のことを好きですね。小倉の人は小倉のことが好きで。

 森田 宇治の人が宇治のことを好きなのは、やっぱり歴史があるからなんでしょうか?

 長田 中宇治の人は特にね。

 ――そういう中で地元紙さんの役割が非常に大きいと思うんですが

 森田 そう、地元紙でしか手に入らない情報ってけっこうあるんですよ。

 長田 まあネットに載らない情報ばっかりですからね。

 森田 だから、ぼくも洛タイ新報さんを取らしてもらっているんですが…。地元紙がないと行政の情報も手に入らないし。なにより知り合いがよく出るんですよ、うれしいなあと思って(笑)。

 長田 心がけているのはチェック機関としてありたいということ。たとえば、みなさんの税金がどのように使われているかとか。それがへんなところに使われていたり、無駄な二重行政になっているようでは具合が悪いかなあとは思うんです。そのあたりは私たちの本分として大切にしていきたい。

 森田 そうですね。ぜひそういう情報も知りたいですね。これから縮小社会となる中で、人口も減っていくでしょうし、人と人との顔が見える関係が大切になってくる。そうした中で地方のメディアさんの役割ってますます重要になってくると思うんです。

 ――洛タイ新報さんには、子どものニュースもたくさん載っているように思いますが、意識されているんですか?

 長田 どうしてもね。子どもさんのかわいい写真を載せていると紙面が明るくなって、読む人も多くなります。うち紙面に子供紹介というコーナーがあるんですが、それでもかなり反響があったりする。

 森田 少年野球の結果も載ってますね。何とか杯とか、宇治にこんなにたくさん少年野球の大会があるんやと驚きます。

 長田 そのへんは戦略的なところもあって、若いうちから新聞を読んでもらって、そこから市政なんかにも興味をもってもらえたら。そういう入口的なところもあります。

 森田 未来は子供たちが作るんで、いいことだと思います。

 長田 子どもたちが市政に興味を持つきっかけになってもらったらとは思います。

 ――そういう意味で、食育に関する記事もたくさん載せているわけですね

 長田 そうですね。健康や食に関することは市民のみなさんの関心も高いし、私たち新聞にとっても当然重要なテーマになります。たとえば宇治市の中学校給食なども、これからきちんと取材してみなさんに正しい情報を伝えていきたいと思います。

 ――森田さんは宇治の固有の価値を広く知らせる活動をされていますが、メディアを重要なツールと考えているんですね

 森田 もともとテレビ局にいたこともあって、新聞やテレビなどのメディアを有効に利用することは意識してきたつもりです。
ただ、さきほども言いましたが、これからはますます社会の縮小化が進み、マスメディアとは違うきめ細かい地方メディアの手法が重要になってくると思うんです。一人一人の顔が見えて声が聞こえるメディア作り。アライアンスの中でも、そういう手法を模索していきたいと思っています。