社会福祉法人 宇治福祉園

代表者 杉本 一久
所在地 宇治市菟道荒槙37
連絡先 0774-23-3224
Email mimurodo@ujifukushien.or.jp
HPアドレス  
活動内容 運動・身体活動 / 健康行動 / 栄養・食生活 / 食育に関すること
業  態 教育機関
「いのちを大切にする」とい理念を掲げ、子ども一人一人の特性を最大限に尊重しつつ平和な集団生活を目指す乳幼児保育と障がい児支援で培ったノウハウを活かし、子どもを真ん中にして互いに支え合う「真にあたたかな地域社会の醸成」を目指して活動の輪を更に広げていきたいと願っています。

Interview

 

【2020年度インタビュー】

社会福祉法人宇治福祉園の拠点のひとつである「みんなのき黄檗こども園」を訪ねました。

園に入ると、暖かい日差しの中、園庭で園児さんたちが昼食を食べていました。この日、3,4歳児クラスの子どもたちは炭火で焼かれた秋刀魚をひとり一匹ずつ自分で骨をほぐして食べ、5歳児クラスの子どもは自ら焼いて食するという取り組みをされていました。

今回、当法人の理事長杉本一久さんと園長の田中みゆきさんにお話を伺いました。

 

――――貴法人の理念や目指していることは何でしょうか?

杉本さん:当法人は1973年の設立から、「命を大切にする」ことと、「生き生きと生きる」ことを理念の中心に据え運営しています。このことを、日常生活や保育の中で、子どもたちとどのようにつくり、感じてもらえるかということを日々意識しています。

 

――――食育活動ではどんなことをされていますか?

杉本さん:低年齢クラスでは、連絡帳を通して園での食事量やその様子などを保護者さんにお知らせしています。食材も安心・安全の視点から、顔の見える生産者さんから頂くように意識していますし、素材の味を味わえるよう薄味や季節の食材を取り入れるなど健康な身体づくりを意識しています。

また、設立当初から年長児クラスでは、継続的に体験できる保育内容を意識的に取り入れています。例えば、お米づくり・味噌づくり・梅干しづくりなどです。園所有の野山や畑から子どもが収穫したもの、地域の生産者さんにご協力いただいたものを活動に繋げています。子どもたちは、育てたり、世話をしたり、といった手間のかかる活動も好奇心や期待感を満たしながら主体的に愉しんでいるおかげで、面倒くさいといった感覚を全く抱くことなく成長していきます。料理して食べるまでのプロセスの一つ一つをじっくり体験することは生きていく上で欠かせないこととして大切に捉えています。

 

田中さん:幼児クラスになると、昼食の献立作成に子ども自身が参画する「リクエストメニュー」「チャレンジメニュー」を定期的に実施しています。園の栄養士と保育教諭が協力し、子どもたちと一緒に昼食メニューを考えたり、苦手な食材にもチャレンジできるように、自分で調理法を決めたりする取り組みです。子どもたちは自分の考えたメニューの時だけでなく、友達が考えたメニューの時の方が嬉しそうにしていることも興味深いですね。

また食物アレルギーのある子が、いつも自分だけが他児と違う食事という寂しさなどを感じてほしくないので、月2回「おやつビュッフェ」と題して、みんなが自由におやつを選択できるような機会を設けています。飽食の時代だからということではなく、一人一人を大切にしたいという思いからです。その日は、おやつの内容がみんなそれぞれに違うので、みんな自分の好きなものを選択して食べるという点で「一緒」の体験となるのです。

 

――――健康づくりではどんなことをされていますか?

杉本さん:健康って心身ともに健康であることが大切だと思っています。安心感や心の健康を土台に、自由に生き生きと遊び心身一体となって健康を育んでいきます。好きなことやりたいこと、自分の願いを実現できる「生きたい」園にしたいですね。たとえば、春は「土」の体験として園庭に約10トンの土を入れます。子どもたちがかかわりはじめると、あっという間に凸凹にしたり、固めたり、穴を掘ったり、子どもたちの遊びにつれてどんどん形を変えていきます(笑)。自由な遊びを通して、楽しいことを見つけ合い、誰もが認め合い、尊重し合いながら、自分たちの生活をつくっていく体験が、「生き生きと生きる力」、すなわち、「健康づくり」につながっていくと考えています。

――――当アライアンスで今後期待することはなんですか?

杉本さん・田中さん:うーちゃ学校で今年度いのうち農園さんとコラボさせていただきますが、もっと宇治の生産者さんとつながりたいですね。当法人から数名派遣し、収穫のお手伝いをさせていただき、収穫しても商品にならない食材を当法人の子ども食堂や総菜販売で使用させてもらうことなども提案してみたいです。農家さんからいただいた作物をSNSで紹介するなど、情報発信を通して、お互いの活動を広く知ってもらい、活発にしていく取り組みが増えれば嬉しいです。今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。

 

【インタビュー(2020年度)】

―――前回の取材以降、貴団体でどんな取り組みをされていますか?

田中みゆきさん:今年度のアライアンスの企画である食育・健康づくりの体験講座「うーちゃ学校」をきっかけに、京野菜いのうちさんと交流ができました。残念ながらコロナ対策で当園は当日参加できませんでしたが、打ち合わせをきっかけに当園の園児たちが夏に収穫体験をさせていただきました。

 

―――今後貴法人でされたい活動は何ですか?

杉本一久さん:職員や施設としての「やりたい」を「やりがい」に変えるグループにしたいです。それぞれのリソースを日常的な活動につなげていくような、まちづくりに関わる事業も面白そうです。

 

―――来年度の健康づくり・食育アライアンスで取り組みたいことや、期待することは何ですか?

田中さん・杉本さん:加入団体同士でより具体的にビジョンの共有ができればいいですね。「健康づくり」にも、身体の健康もあれば、精神・心の健康と幅広いです。

例えば、子育て支援拠点「元気広場」で、お子さんが親の手を離れて「作る遊び」興じるようになったことで、少しの間だけでも育児から解放されストレスが緩和されたというお声をいただきました。アライアンスでも、このような育児と心の健康づくりといった幅広い「健康」をテーマに、活動ができればと思います。

また、アライアンスの活動を持続可能にしていくために、加入団体の活動がしやすい環境づくりを期待します。